日本から安室奈美恵が香港にライブをしに来た。
彼女の人気は香港でも高く、
これまでにもMisia、Perfume、きゃりーぱみゅぱみゅなども来たが、
箱のサイズと集客力、オマケにチケットの値段は桁違いである。
香港でライブが行われる場合、席によって値段が異なる。
このたび入手したのは一番前のブロックに当たる席で、
値段はなんとHK$1,680(2万4千円強)。
*ちなみに同じ会場で以前に浜崎あゆみがライブを行った際、
一番前のブロックがHK$780(1万千円強)、
一回り小さな会場でMisiaがHK$880(1万3千円弱)であった
この日は、香港だけではなく、マカオや台湾からはるばる見に来た人もいる。
さすがに1番前のブロックなだけあり、顔も表情もくっきり見えたのだが、
プロポーションがマネキンのそれである。スタイルが滅茶苦茶良すぎる。
この人って本当に実在するんだ…と思った瞬間である。当然である。
歌い始めて、踊り始めて、驚くほど小さな身体からあふれ出す
スピード感が、迫力が、存在感が、オーラが…
全てにおいて「この人は本当にスターなんだなぁ」と痛感したワタクシ。
思いっきり激しいダンスが続いた後半戦の終盤、
細い身体で倒れるのではないかというくらいパワフルに踊り続け、
歌い続け…そんな姿に感動し、バラードではなく、
攻撃的な曲にもかかわらず、文字通り泣き始めるファンも多数目撃。
更に、ファッション、映像、楽曲…全てにおいて2015年-2016年の
トレンドの要素が絶妙に織り交ざっており、その手の業界の方たちも
「2016年の企画を提示したショーの様だ」と太鼓判を押す。
作詞や作曲をするわけではない彼女を「アーティストではない」と
言う人もいるが、これだけ愛され、支持される理由は
ライブを見れば明確である。
作詞は作詞のプロが語呂や韻、語感や響きを考え組み立て、
作曲は作曲のプロが踊れるものを用意し、
振り付けは振り付けのプロがトレンドに合わせ行い、
演出は演出家のプロがダンスとのバランスを考え、
ファッションやメイクも、その道のプロが、その年の企画を取り入れる…
各方面のプロのコラボレーションの指揮をとり、
その年の企画を打ち出し完成させるのが、
安室奈美恵、本人なのだなという
創造性を感じずにはいられない。
それに、どんなに一流の人間が最先端の物を
あてがったとしても、似合わなければ意味がないし、魅了されない。
何でも上手く着こなし、歌いこなし、踊りこなし・・・
人々が彼女に魅了されるのはそういうところにあるのだと思う。
(あまり日本では見ないが)リズムについていけず
半拍遅れで手拍子をしている香港人、
「なぜそこで叫ぶ!」という香港人や、
当然の様に写真を撮り始め注意される香港人などもいたが、
最初から最後まで全く目が話せない真剣勝負のライブであった。
チケットは若干高かったけれど、
お金を払ってこれが見られるのであれば、
また是非見させて頂きたいと思った次第である。