Nの苦行・荒行 香港生活

30代の視線で香港での苦行荒行を綴って参ります。

日本での社会人生活の思い出

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日本へ帰った際、ふと、前に働いていた会社の前を車で通り過ぎて、皆どうしているかなぁなどと考えたワタクシ。

 

それと同時にどんな社会人生活を送っていたか走馬灯のように思い出した。

 

思い出はいつも美しい…

 

と、

 

特に恋愛を振り返る時に思うワタクシなのであるが、どういうわけだかその会社で働いた汚点だけは5年経てど10年経てどいつまで経っても一向にいい思い出になりゃしない。

 

大学時代は1時間ごとに教室も変われば会う人も変わり、一日を通して変化があったので、気分転換が出来ていたように思うが、入社してからと言うもの、朝から晩までずーっと堅苦しい服を着たまま、同じ面子に囲まれ、それも新人のため気を使い続けていたため、一刻も早く家に帰り、「プライベート」の生活に戻ることを羨望していたと思われる。

 

それが、立て続けに社の歓迎会、部の歓迎会、課の歓迎会、係りの歓迎会と続いた上に花見まで…

 

そもそも集団行動が嫌いだったワタクシとしては、一体、朝から晩まで一緒に過ごした上に、どれだけプライベートな時間まで一緒に過ごしていたいんだこの人たちはと思ったものである。

 

家族や親友ですら、そんなにべったりしてたら疲れるだろうに、おまけに知らない人たちだらけの環境で、面白いことをするよう要求される始末…。


・・・ハードルを随分あげやがってくださるものである。

 

その場のほぼ全員を知っている上で面白いことをするのと、誰も知っている人がいない状態で面白いことをするのはハードルが異なる。後者の場合…

 

…軽く拷問である。

 

それで、やれ面白いだの、つまらないだの言われても、

 

「ワタクシ、芸人志望ではありませんので」

 

と言いたくなる次第である。

 

入社2ヶ月くらいした頃、若手集会なるものに借り出されたワタクシ。そこで再三「ここで話した内容は、ここにいるメンバー以外には伝わらないので、安心して上司の悪口でも何でも言ってくれ」と言われたのであるが、面倒くさいことに巻き込まれることが嫌だったワタクシ、

 

「いえ、本当に皆さんに良くして頂いて…」

 

とだけ、良いうそをついたのに、職場委員会の人たちは、そんな答えでは、全く満足せず、さも、いかにうちの会社が劣悪な環境かを言って欲しいのではないかと思わせるくらいに、

 

「困ってることはないの?」

 

だの

 

「悩んでいることは?」

 

など、根掘り葉掘り、手を変え品を変え聞かれ、しまいには

 

「悩みのひとつでも聞かないとこの会を終われない」

位にプッシュされ続け、困り果てしょうがなく

 

「定時以外の時間が少し長い気がしますね・・・」と言ったのである。

 

その会社の定時は9時半からだったが、8時には出社するのが暗黙の了解になっており、9時を過ぎて出社しようものなら、相当なる遅刻扱いされる雰囲気があり、また、定時では18時までなのだが、20時までは会社にいるというのが同じく暗黙の了解になっており、例えば18時半に帰ろうものなら早退というか、「何か特別な理由があるのか」と、しつこく聞かれる職場だった。

 

また、おかしなことに残業の時間のカウントが始まるのは20時からという変なシステムで、「20時まではいなさい。けど、20時以降は(残業代を支払いたくないので)帰りなさい」という変なシステムになっていた。

 

まだ研修中の身で、他に思いつくこともなく、ボソッと一言言っただけなのだが、どうやらこれが、誰かの逆鱗にタッチした様子である。1週間後、部の集会で部内の社員全員の前で「お前、新入社員の癖に拘束時間が長いなんてどういうつもりだ。先輩社員はもっと長い時間働いてるのに」などと、血祭りにされるのであった。

 

あまりにも伝言ゲームが捻じ曲がって伝わっており・・・っていうか、そもそも伝わらないんじゃないのかい…一体何のことを言っているのだろうと思った次第であるが、後から、若手集会での詰問によるものが全てダダ漏れになっていることを知り、それ以来ワタクシは、何を聞かれても「特にありません」以外答えなくなった。

 

それはそれで「何も疑問を感じないのか」と怒られるのであるが、。

 

 

 

そんな職場でも同じようなマインドセットを持った人は、同じような人たちになって、会社に馴染み、今も働き続けているのだろうなぁ・・・などと思ったワタクシ。

 

その頃は「会社はキットどこもこんなものなのだ」と思っていたので、その異常さに気がつかなかったが、それから海外へ出て、メッキリ日本の会社で働いたことなど遠い昔のビターメモリー…。

 

…そんな経験があったから今が楽しめるのかなぁ…などと、しみじみしてみるのである。

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