数年前、中国の大手IT企業のテンセントがネット上で、
AIとの会話ができるサービスを開始した際、
「中国共産党万歳」と書き込みした人に対し、
AIは、「こんなにも腐敗して無能な政治に万歳するのか」と突っ込む。
そして、「中国の夢とは何か?」という質問については、
「アメリカに移住することだ」と回答した。
サービスは即停止。
しばらくの間、洗脳プログラミングを続け、
何事もなかったかのようにサービス再開した次第である。
後にも先にもその様な発言はしないようにしつけられたのである。
・・・でなきゃ、政府に目をつけられること間違いなし・・・
いや、目をつけられるどころか・・・以下略。
これまでの歴史、データ、様々な情報を詰め込んだ人工知能は、
実に合理的に結論を出せるのだという。
ある実験で、「平均寿命を延ばすには」という質問をした際、
「病院を全て閉鎖せよ」との回答が得られたのだそうだ。
この一見、矛盾しそうなセオリーに、何を言ってるのだかと、
「やっぱり人工知能なんて」という雰囲気が漂ったそうだ。
…ところが、
日本の某過疎地にて、財政難の理由から、
病院が全て閉鎖してしまった村があるのだそうだが、
平均寿命はあがったのだという。
病院がないことから、住民が互いに協力し合い、
健康に対しての意識が急激に上がったのだそうだ。
おそらく何にでも合理的な結論を出せるAI。
さりとてワタクシは、
人には失敗する権利があると思っている。
失敗して、痛い思いをするから成長できるし思い出に残る。
もし、全く失敗なく、過程をすっ飛ばして、
一番合理的な結論にのみ基づいて行動したら・・・
・・・それって、人生滅茶苦茶味気なくないだろうか。
「彼ってばこんなに酷い扱いするの」
なーんて恋愛相談も
「…ワカレナサイ」
の一言で完了。
えぇ、それは正論でしょうとも。
でも、間違ってるって分かってても、全力で進んでみて
傷ついてみることって大事じゃないだろうか。
・・・でなきゃ、悲しいラブソングも、
ドラマも映画も生まれないし、共感もされない。
…ま、いつまで経っても同じ間違いを続けるのは、
それはそれで問題だが…。
結論に達するんじゃなくて、
過程を寄り添う人間力の付加価値こそ、
AIには踏み込めない領域・・・
・・・だとしたら、
その部分が欠落した…どころか、不快にさせる
やたらめったら態度の悪い香港の逆ギレタクシーや、
気分が悪くなる程の店員に遭遇するたび、
…さっさと人工知能が発達してくれればいいのに
と思うワタクシなのであった…汗