とにかく胸が苦しくて…
昨今の香港の情勢があまりにも辛くて、本当に胸を締め付けられる毎日である。
ワタクシは、それほど変化は好まない。
子供のときから親の仕事の関係で引越し、転校が多く、数年経ってから元の街に戻ったときに、ワタクシが好きだった街並みがなんとなく変わっていたり、ワタクシが属していたグループの子達の人間関係が変化していたり、「もうお前の知っていた好きな場所なんてここにはないんだぞ」と言われるような気持ちになるからである。
以前タイに住んでいたワタクシであるが、タイもまた大きな変化を遂げており、訪れるたび少し寂しい気持ちになるのであるが、でもそれは発展と言うポジティブな変化なので、喜ぶべきことだと理解できる。
しかし、昨今の香港はどうだろう。
香港はそれでなくとも変化の街である。それなのに、最近は、香港人がよく活用するグループチャットでは意見の不一致から大きな喧嘩が発生し、大きな溝が出来、グループそのものが壊れたり、ワタクシも仲良くしていた海外・香港の友人が香港を次々と去り…以前大人数で行ったジャンクボートのパーティーの写真を見たときに
「あぁ、もうこの夏もこの笑顔も永遠に戻らないのかもしれない」
と初めて悟った時、思わず涙が零れたのである。
これだけ多くの人達が反抗をしている。拒絶をしている。
にもかかわらず力で押さえつけることしか考えない中国。
力で押さえつけられた人達が、反感を持たずに改心して中国に従うわけは絶対にない。
…香港が壊れていく。ワタクシが好きだった香港が失われていく…
歴史上、弱肉強食の戦乱の世の中で、数々の文化や町や国やコミュニティーが破壊され、そのたびに多くの人が血と涙を流してきた。
子供の頃、歴史の授業などで「そんな悲しい歴史は繰り返して欲しくない」「平和な時代に生まれてよかった」と思っていたのだが、香港に起こっている出来事は21世紀の出来事である。
日本ではあまりに暴力的過ぎるためか、あるいは中国を慮ってか、あまり報道されないが、香港では日々警察の市民に対する暴力映像は放送され続け、そこには降伏したデモ隊を複数で殴りつけ血祭りに刷る映像や、退散しているのにもかかわらず、逃げているデモ隊に対し銃を発砲しそこらじゅうが血の海になっている映像が映し出されている。
降伏しているデモ隊を押さえつけ、それでもなお暴行を加える警察。
背を向けて逃げているデモ隊を至近距離から撃つ警察
その中にはデモ隊ではなく、デモ隊の怪我の手当てのために駆けつけた若い女性が目を撃たれ、失明した痛ましい映像もあったり、デモには参加してないのに、警察が駅構内で放った催涙ガスの残りを吸ってしまった子供が咳をしながら大泣きする映像などもあり…これが21世紀の姿かと、子供達に見せたい正義なのかと…憤りしか感じないのであった。
そんな中、ワタクシはいつまでこの街にいられるんだろう…とぼんやり考えるのであった。好きで引っ越してきた街が好きではない街になってしまったら…ここにいる理由とは…?などと漠然と考え始めるのであった。