香港の混乱に巻き込まれて…
デモの勢いが増す香港。
あまり立ち寄らないように、巻き込まれないようにしていたワタクシであるが、この狭い香港で、これだけ大規模になってくると、色々支障をきたすし、100%巻き込まれないように生きるには、部屋の中で過ごし続けるしかないと思われる。
ワタクシも、まず、交通機関の麻痺により、出社できず、自宅勤務となったのを皮切りに、あっちこっちで突然、道が封鎖されたりし、それに巻き込まれたりする。
デモ情報は事前に発表されており、そこを避けて行動をしているのに、突然道がふさがれたバスは、身動きがとれず「ここで降りてくれ」とアナウンスが流れ、、、歩いて進むと、そこで初めて、道にバリケードが張られ、異様な雰囲気になっていることを悟るのである。
そして、その道を突っ切らないとワタクシは帰宅ができないので、様子を見ながら横断すると…ニスの臭いのようなものが…
…催涙ガスである。
実はワタクシ、これ、商談で出かけた帰り、地上で警察がデモ隊に暴力を振るい始め、事が荒立つ前に退散しようとした際、思いっきり警察による無差別攻撃・催涙ガスに巻き込まれたのである、。
恐らくいたるところでデモに参加していないのに、たまたま居合わせ、警察の攻撃に巻き込まれた人は数多くいるかと思われる。
先日、デモの区域に指定されていない場所へディナーに行った際も、突然、地上でデモ隊が現れ、街は一時騒然…。そこで働いている人達は、心配そうに眺めており、デモに参加してない人すら巻き込まれる事態になっているのだなと思った。
封鎖された道から帰宅の方法を探したのだが、テレビで見ている分には伝わってこない熱気や殺気がそこらじゅうに満ちており、ただのコスチュームにしか見えていなかったマスクやヘルメットに傘も、実物は凄い武装に見えた。いつ暴動が起こってもおかしくないエリアを彷徨うワタクシ。
MTRの通っていないエリアに住むワタクシは、MTRで街の反対側まで行き、そこからタクシーで帰るしかないことに気がつき、地下に入るも、駅は出動を控えたデモ隊の基地のようになっており…他の人達がするようにオクトパスではなく切符を買って帰って行ったのだが…
…帰り道の速報で、ワタクシが去るのがあと10分遅かったら、警察がまた催涙ガスを撒いていたという情報を受け恐ろしくなるのだった。
さらに、帰りのMTRでも自称「デモに参加した人を懲らしめにきた」と言い張る白シャツの人達が出てきて暴行を加えられる可能性がないわけでもなく…。
街の反対側に着き、駅を出ると、一面に香港人の叫びの声が祭られており…非常に悲しくなるのであった。
ワタクシはデモに参加しているわけではないが、一連の騒動・混乱により被害は受けているし、怖い思いもした。
…でも、他の香港人たち同様、ワタクシの怒りの矛先はデモ隊には向いていない。街がこれほどの混乱に陥ってもなお、何も対応を仕様としない香港政府に対して非常に不満を募らせている。なぜならワタクシも永住権を有する市民としてこの街で税金を払っているからである。
この2ヶ月、全く同じ内容のパブリック向けのステートメントをするだけで、市民と全く向き合わない、話し合わない対応は民主主義の街としてどうなのだろう。表向き、これらは全て香港政府の判断であり、中共は介入していないと言うのであれば、民主主義として、何が必要で何が不要か…自分達で選び選択する義務をまっとうして頂きたいものである。