その昔、
小学4年生になったワタクシは塾へ通い始めた。
中学受験を行った姉の影響で、それくらいの歳になれば塾に行くのが当たり前だと思っていたのだ。
ランドセルを置き、バッグをもって、腕時計をして、塾へ通うー
それだけで既に、同級生の子達より頭が良くなった錯覚に陥った。
ところが学校の勉強もろくに行わないワタクシが、塾に通っただけで頭が良くなる訳がない。
特に嫌いだったのが毎週火曜日の国語の授業で冒頭に行われる漢字テスト。
間違えた漢字はノートに10回だか20回だか書いて来週までに提出しなければならない。その上、結果は、全員に公表。
毎週、その瞬間が終わるたびに
「次回こそは…!!」
と、思いながら、無情にも時は過ぎ、気づけば何の準備もしないまま、火曜日はやってくるのである。
前回間違えた分の10回だか20回書く宿題も終わっていなければ、肝心の授業での宿題も手がついていない…
…当然、次回の漢字テストに備える時間なんてあるわけがない…
という月曜日の夜、
必死に塾を休む言い訳を考えてみるダメな小学生。
…だって、他にもピアノだ水泳だ、スポーツ教室だの何だの…色々習い事があるんだもん、そーだ、仕方ないじゃないか!!
などと、開き直ってみたりするのだが・・・
…翌日、決まって、塾の講師の方にこっ酷くしかられ恥をかく子供であった。
先日、朝の通勤バスの中で隣り合わせた子供がノートをひざに乗せ、一生懸命勉強をしていたので、偉いなぁと思いチラ見すると、ノートに書かれた日付は数日前になっており、かつ、同じ漢字を何度も何度も書いており…
…あぁ、これは勉強じゃなくて宿題だなぁ~・・・
と悟り、
世代も国も違うけど、同じような子供がいるんだなぁと、微笑ましく見てしまった次第である。