国籍のこだわり
香港が中国に返還されたタイミングで、
香港に住んでいた富裕層は、こぞって海外へ移住した。
移住したついでに国籍まで変えた人も大勢いる。
先日、友人と火鍋を食べに行った際、
隣の香港人のおじさん、おばさんグループが
妙にフレンドリーに話しかけてきたのである。
その際
「どこから来たの?」
と聞かれたので、「日本」と答えると、
ワタクシ達は別に尋ねてもいないのに
「俺はオーストラリア人だ!」と言い出すおじさん。
…どう見ても中華系の外見に、香港アクセントの英語である。
加えてさっきまで広東語で豪快に会話をしてたのだが、
あくまで「自分はオーストラリア人だ」と言い張るのである。
酔っ払った日本人の友人F
「でもその割にはオーストラリアアクセントないね」と
ナイスな突込みをかます。
すると、中華系のおじさん、おもむろにスマホを取り出し、
「コレは孫だ!」とハーフの孫の写真を店、
「そしてこれは、義理の娘だ!」と白人女性を見せてくるのだが…
…肝心のあんたの息子(おそらく100%中華系)の写真は見せないのかい!!
・・・などと思ったワタクシ。
華僑の皆様、例えば、マレーシアやシンガポールに住んでいる人とか、
Ethnicityを書くところに「Chinese」と答える人が多い
(あくまで個人的な感想)。
…そこ、正しくはAsianかと思うのだが…
勝手な印象、アメリカに住んでても、
カナダに住んでても「Chinese」と書く人が多い印象なのであるが、
あくまでこの人は「オーストラリア人だ!」と言い張る。
そういわれてみれば、両親が香港人で、
6歳くらいでカナダに移り住み、
カナダのパスポートを有する友人Eも、
以前「私はカナダ人だ」と言っていたのである。
かたや、香港生まれ、香港育ち、
香港は中国じゃない!自分達は香港人で、中国人ではない!
香港に対して愛国心、郷土愛を抱く香港人も多い。
その人たちの中には、香港人なのに、インターナショナル人ぶって
英語しか話さない人を嫌う人も多い…様子。
(そしてそれは半分嫉妬の気もする)
先日知り合った、両親が大陸人、自身も3歳で
香港に移住してきたという友人Kはまた、
香港人…といったところか、中国人…といったところか、
複雑な様子であった。
日本文化と日本語をこよなく愛する香港人の友人Yは
間違えて香港に生まれてきただけで魂は日本人だと言い放つ…
・・・もはやイミフである。
…でも、多分オリンピックになったら
みんな一同に中国を応援すると思うのだが…
(個人的に思っているだけである)
コレだけ小さな地域に、これだけ精神的な国籍が色々存在する香港…
街の秩序のなさも存在するカオスも、
もっと根深いところに何か理由があるのかも…
・・・しれない。