プロの仕事、意外な一面
友人Yは内装関係のデザイナーである。
これまでにも何度か、彼女が手がけた店舗は見たことがあるのだが、
実際、どのような流れでことが進んでいくのかなど、
全くイメージもつかないワタクシ。
そんな友人Yとは、ことあるごとに集い、
火鍋屋で井戸端会議をする仲である。
おかげで火鍋屋の店員にもすっかり顔を覚えられてしまった次第である。
そんな彼女が新居祝いに、家具やその配置について相談に乗ってくれることになった。
いつもタラタラ永延と、あーでもないことや、こーでもないことしか
話していないワタクシ達。
おそらく部屋のレイアウトなどと言っても、
同じような感じでグダグダ話をして終わるものだと思っていたのだ。
入居前なので、同じ建物の別の空き部屋で同じレイアウトの部屋を
見せてもらえることになったのだが、不動産屋には
「内装の業者の人に見てもらうから」などとそれらしいことを言っていたのだが、
現れたのは茶髪、小麦色の肌に全身真っ白な服を纏い、
やたら派手なサンダルを履いたバブリーな匂いを振りまいた大人ギャルである。
おそらく、その界隈に、こういう格好をする人間は存在しない。
そういうローカルな下町に引きずり込んだため、案の定、浮きまくりで、
100m先からでもわかった次第である。
そして、部屋に入るなり、霊能者が霊視を始めたかのような目つきで、
おもむろにファッショナブルなバッグから似つかわしくない
メジャーを取り出し、採寸を始めたのである。
友人Y、何かが降臨したかのように黙々とメジャーを引き出し、
持参したボードに色々書き込み始めた。
ワタクシは、不動産屋と世間話をしていたのだが、
20分くらいでくまなく部屋を図りとり、
部屋を出るなり
「ベッドはこういう風な感じでデスクを脇に…
こんな感じで家具屋にオーダーするのはどう?」
市販の家具屋に行くことなんて毛頭考えてない友人Y。
むしろ、逆にそんなものをオーダーする術を知らなかったワタクシには、
逆立ちしても思い浮かばない発想に驚きながら、
次々に部屋の長所と弱点、打開策を語り始めた。
…友人Y、正真正銘プロである。
ただ、火鍋屋に集って井戸端会議をするだけの大人ギャルの姿からは、
想像のできない姿に驚いた次第である。
ワタクシも日々の業務に幾分まともに取り組み、
精進しなければいけないなと思った次第である。
…多分明日から…
…というわけで、しばらくゴールデンウィーク休暇である。汗。