Nの苦行・荒行 香港生活

30代の視線で香港での苦行荒行を綴って参ります。

香港人の並び方

前へ習え!

 
 
号令の元に、
それはそれはまっすぐ並ぶこと、等間隔で距離を保ち、
パーソナルスペースへの侵入をせぬよう幼少期の頃から
叩き込まれる日本人は、大人になっても、
よっぽどのことがない限り、前の人を抜かす様な立ち位置で並んだり、
前の人に触れる様な、威圧感、圧迫感、緊張感を与える様な
不思議な並び方はしない。
 
一方香港はそうではない。
隙間があれば他人に割り込まれる
チャンスがあれば抜かしていかなければ
他人に利益を横取りされる。
車の車線変更も1台ずつ…ではなく、行けるものが行くのである。
 
ある種の強迫観念に追われているのではないかと思われる位、
公共の場での香港人というのはそそっかしい。

また、バスでも電車でもエレベーターでも、
扉が開けば競争が始まったかのように、皆、競歩で
歩き始める…(そして、みんな遅刻する)
 
故に、後ろの人が、自分の視界に入らない位置に大人しく並ぶとは、
全くもって限らない。斜め横ならまだ可愛げがあるもので、
真横位に並ぶ輩も珍しくはない。
 
…そして、何食わぬ顔すらせず、普通に抜かそうとする奴も多い。
 
また、それらの人間に注意をしたところで無視か、あるいは
 
おぅ
 
と言う訳のわからない
擬音語の様な音を発する始末。
 
元々香港人には並ぶ気質はないらしい。
何故なら、わざわざ地面に線などがあれば仕方無しに、
並ぶには並ぶが、不規則に配列されているというだけで、
そういった線などがないバス停では、
なるたけ道路側に、はみださんばかりに人が集まり、
バスが来ようものなら、磁気を帯びた砂鉄の様に
人がバスの入り口に反応して動く。

そこに列などという秩序はなく、
ただ、席の争奪戦が始まるだけなのである。
 
香港で列というのは、そういう人達を、ただ、並べただけなので、
抜かせそうなら抜かすし、真っ直ぐ前の人の後ろに
邪魔にならない場所に並ぼうという心がけは、一切ない。
ある訳もなければ理由も道理もない。
 
「あなたの行動が、他人の邪魔になってるかもよ」
なんて促しをする様になると良いのだが…
 
などと、控えめに香港人の友人に言ったところ
 
はん、無理だね。むしろ他人の妨害ができてることを
誇りに思ってるくらいさ。彼らは。
などと皮肉を込めた。
 

先日、友人Jが、露骨に割り込んできた香港人に、
「このバス乗るんでしょ?なんで列ばないの?」
 
っと問いかけると、とりあえずJを凝視しながら無視。

今日はとことん戦おうと思ったJ、
「聞いているんだけど。ならびなよ。」
 
と促すと、
「わけがわからない」

と一言、言われたらしい。

「並ぶのは公共のマナーだから、訳がわからないなら学びなさい」
 
というと
 
この精神異常者が
 
と言われ、その場に居座ったとのこと。

それはそれは憤慨し、その人にグイっと近づき、

「今なんて言った?公共のマナーがわからない人間の方が
よっぽど頭狂ってるだろーが」

と迫ったら、近づいた分、後退したものの、
Jが元に戻ると、元の割り込んだ位置に、
そのまま戻ってきたとのこと。

恐れても、怖がっても、列そのものが
本当になんなのかわかっていない様子だったとのこと。

にしても、いい年齢の大人が、注意を促してきた赤の他人に対して、
「精神異常者」などという言い草…非常識にもほどがあるというか、
お里が知れるというものである。

しかし、そういう並ぶことができない、文化や習慣のない人たちにとって列とは、
ピアノが弾けない人にピアノを弾け、なぜうまく弾けないんだ
と、罵っているのと同じことなのであろう。

…でなきゃ「精神異常者め」などという暴言は出るまい…。
 
人種に限らず、人の邪魔にならない様に謙虚に生活している人が
民度の低い人間の妨害を受けずに暮らせる社会になる日は
香港に来るのであろうか…
 
 
…むしろ日に日に悪化しているような気が…
 

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